来店で!ごあいさつ

はじめまして。伊佐美佐と申します。
私が抗がん剤治療を経験したのは41歳のとき。
脱毛による外見の変化、体の変化、気持ちの変化・・・次々と困ったことが起こりました。
髪がないので頭皮の汗がそのまま顔に流れ落ちてくる副作用で手がしびれ、細かい作業ができなくなる肌が敏感になり、帽子の縫い目で頭皮がかぶれる髪がないと帽子がズレやすく、いつも気になる
そして何より、蒸れる!
「何とかしたい」と市販の帽子をあれこれ試したものの満足できるものには出会えませんでした。

「そうだ、帽子に髪がついたら!」治療中、生えぎわの髪を帽子から出してかぶると意外に気づかれなかったことから発想し、本当に欲しかったモノをつくろうと思い立ちました。長年、アパレル企業で婦人服の企画デザインに携わったスキルと患者としての体験をもとに試行錯誤を重ねて生まれたのが、医療用髪つき帽子「ウィッシングキャップ」です。
私達がん患者の心のあり様は、治療にとても影響するもの。身をもって知る私だからこそ、患者さまの快適な暮らしをこれからも応援してまいります。

1.発病から治療までの経緯、2.「抗がん剤治療」と「脱毛」について、3.ウィッシングキャップができるまでの私の経験を紹介しています。
個人的な体験ではありますが、皆さまのがん治療の参考になれば幸いです。

がん発病から治療までの経緯

1961年 東京都生まれ。
1984年 文化女子大学 服装学部 服装学科卒業後、アパレルメーカーで十数年、婦人服の企画・デザインに携わる。
その後、結婚と出産を機に企画会社にてアパレルの企画・デザインを続ける。
2002年
1月
原因不明の高熱による緊急入院中に胸部異常陰影があり、CT検査により3cmの腫瘍が見つかる。奇形腫(良性腫瘍)で手術により完治の可能性が高いと診断。他に症状もなく熱も下がり退院。
2002年
2月
退院後にセカンドオピニオンを受けた病院のMRI検査で、前縦隔(心臓の上)に5cm強の腫瘍が確認されるが、良性奇形腫であるとの診断にて経過観察することとなる。
2002年
9月
MRI検査で腫瘍が8cm強に大きくなっていると分かり、他院を紹介され急遽手術することに。
しかし、腫瘍マーカー検査により悪性の前縦隔胚細胞腫瘍で「既に手術不可能」と診断され退院。
2002年
10月
セカンドオピニオンを受けた病院に戻るが、十分に納得できないまま抗がん剤治療を開始。
サードオピニオンを求めて国立がん研究センター中央病院へ。同病院に転院し、 生検により悪性の前縦隔胚細胞腫瘍と確定。
抗がん剤治療を継続するが、腫瘍マーカーが正常値の200倍で「楽観できない厳しい病状」と告げられる。
2003年
1月
4クール(約3カ月)に及ぶ抗がん剤治療が功を奏して腫瘍マーカーが正常値となり、手術で腫瘍摘出に成功。しかし「術後2年間は再発率50%」と告げられる。
2003年
2月
退院。毎月の通院で経過観察を続けることになるが、「これまでの経過から再発は免れないはず!」時間に限りがあると感じ、いま自分のできることで、 自分と同じような闘病中の患者さんのために何かを残したいとの想いが湧き上がる。
2003年
12月
「髪の毛付き帽子」を考案し、特許を出願。(特許取得:特許第4548648号)
2005年
2月
 闘病中お世話になった看護師の方の紹介により「第19回日本がん看護学会学術集会」に出展。
これを機に、髪付き帽子『wishing capウィッシングキャップ』としての販売を開始。

 
 

「抗がん剤治療」と「脱毛」私の場合・・・

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ウィッシングキャップへの道

  • 髪が抜けて心も不自由に…
    抗がん剤治療で私が髪を失ったのは、秋から冬にかけてのことでした。
    いろいろな帽子を探しましたが、店頭には防寒タイプの帽子しかなく、デザインも外出用のものばかり。それでも必要に迫られて購入した帽子を24時間かぶっていると、暖房のきいた室内では暑すぎて熱が出たり汗をかいて不快だったり…。
    やがて、もみあげや眉毛も抜け、気分もブルー。 誰に見られているわけでもないのに人の視線が気になり、気分も滅入って心も身体も不自由に感じました。 これって治療に大いに影響がある!と実感したのです。
  • そうだ、帽子に髪が付いたら!
    ウィッグをずっとかぶっていると、汗や頭痛に悩まされて辛い。
    かといって帽子だけだと生え際が気になる。 どちらの悩みも解消できたら…。部屋の中でかぶりやすく快適な帽子ができないだろうか…?
    そうだ、帽子に取り外しできる髪の毛が付けられたら、心にも身体にも心地よいのでは!?――そう発想したのがスタートでした。
    試行錯誤を繰り返し、安心して毎日が快適に過ごせるよう、脱着可能な「髪の毛付き帽子」ができあがったのです。
  • なぜ『ウィッシングキャップ』?
    帽子に自分の願いを託したいと考えていた時、“wishing cap ”という言葉に出会いました。
    それをかぶると、どんな願いも叶えられる魔法の帽子・希望の帽子」という願掛けの意味があるのだと知り、「これだ!」と思ったのです。
    これこそ「髪付き帽子」で私が実現したいこと! お届けする帽子をかぶってくださる一人ひとりの願いが叶いますように…との想いを込めて『wishing capウィッシングキャップ』と名付けました。

 
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