抗がん剤治療と脱毛 なぜ脱毛が起こるのか?
抗がん剤治療の副作用として多くの患者さんを悩ませる「脱毛」。これから治療をされる方は、どのような仕組みで脱毛が起こるのか、変化が生じた時、どのような対策をすればよいのか、お悩みではないでしょうか。
なぜ薬の影響で髪が抜けるのか、その仕組みやヘアサイクルとの関係を詳しく解説します。まゆ毛やまつ毛への影響、日常生活での具体的な対策や、医療用ウィッグ付き帽子の活用法まで、治療中の不安を安心に変える情報をお届けします。
1. 抗がん剤で脱毛が起こる仕組みと「ヘアサイクル」の定義
抗がん剤治療(化学療法)を受ける際、もっとも気になる副作用のひとつが脱毛です 。なぜ抗がん剤で毛が抜けてしまうのか、その理由は髪が生え変わる仕組みである「ヘアサイクル」と深く関係しています 。

私たちの髪は、常に以下の3つのサイクルを繰り返しています 。
- 成長期(2~6年): 毛母細胞が活発に分裂し、髪が新しく生えて成長する時期です。毛乳頭が血液から栄養を取り込み、毛母細胞へ供給することで髪が作られます 。
- 退行期(2週間~1ヶ月): 成長が止まり、毛包が退縮していく時期です 。退行期は約2週間~1ヶ月程度で、この段階を経て成長期から休止期へ移行します。
- 休止期(3~5ヶ月): 成長が完全に止まり、シャンプーやブラッシングなどの軽い刺激で抜けやすくなる時期です 。休止期は約3カ月~5か月続きます。
- 再び成長期へ(2~6年): 毛乳頭の活動が再び活動を始め、新しい毛が生えて成長期となります。

抗がん剤や放射線治療は、活発に増殖するがん細胞を攻撃しますが、同時に、同じように活発に細胞分裂を行っている「成長期」の毛母細胞にも影響を与えてしまいます 。
なぜ脱毛が起こるのか?

毛髪などの体毛は毛母細胞の分裂によって成長します。
毛母細胞は体の様々な細胞の中でも特に盛んに分裂を行っている細胞ですが、化学療法や放射線療法はこの毛母細胞を壊してしまうため、脱毛が起こるというわけです。
2. 髪だけじゃない?全身に及ぶ脱毛の症状と経過
副作用による脱毛は、頭髪だけにとどまりません 。実は、まゆ毛、まつ毛、鼻毛、そして手足の体毛など、全身のあらゆる毛が影響を受ける可能性があります 。脱毛の進み方には一般的な順序や傾向がありますが、これには個人差も大きく関わります 。
【ポイント】
多くの患者さんの場合、一度にすべての毛が抜け落ちるわけではありません 。抗がん剤の投与を重ねるたびに徐々に毛量が減っていき、治療が終わる頃にほとんどの毛が抜けた状態になるという経過をたどることが一般的です 。もちろん個人差もあるのですが、具体的には、まず体毛から抜け始め、その後に鼻毛、まゆ毛、まつ毛へと進むケースが多く見られます 。
乳がん治療を例に挙げると、全体の約8割の方が脱毛を経験されるというデータもあります 。使う薬の種類や量によっても脱毛の程度やスピードは異なるため、周囲の患者さんと比べて「自分は違う」と不安になる必要はありません 。
3. 【私の場合】体験談から学ぶ脱毛時のリアルな現象と悩み
ここでは、実際に抗がん剤治療を経験した当事者のリアルな声をご紹介します 。知識として知っていることと、実際に身に起こる変化では、感じ方が大きく異なります。
【私の場合】
私の場合、脱毛の順番は、体毛(すね毛や陰毛なども…)からはじまり、抗がん剤投与から2週間を過ぎた頃に、突然髪の毛が抜け始めました 。その後、抗がん剤投与を重ねるごとに、鼻毛・まゆ毛・まつ毛というように抜けていきました 。たいがいの場合、本人は抜け始めたことや抜けてしまったことに気づきません。私もそうでした 。
鼻水が勝手に流れ落ちてビックリ!
目にゴミが飛び込んできてビックリ!!
まゆ毛が抜けて薄くなって鏡を見たら人相が悪くなっていてビックリ!!!
などの現象を体験し、各部位の脱毛が始まっていると気づきました 。「ムダ毛」という言葉がありますが、身体のムダ毛なんてないのだなあ・・・と実感した次第です(笑) 。
4. 部位別FAQ:脱毛時のトラブルと効果的な対策方法
脱毛によって生じる日常生活のトラブルに対し、どのように対処すればよいのか、よくあるお悩みとその対策をまとめました。
- Q. まゆ毛がなくなると、どうなりますか?
A. 外見の変化(人相が変わる)が目立つほか、汗が直接目に入りやすくなります 。アイブロウなどのお化粧で描くことでカバーできます 。 - Q. まつ毛が抜けた時の対策は?
A. 目にゴミや埃が入りやすくなり、切れたまつ毛が目に入ることもあります 。目の保護と外見カバーを兼ねて、メガネやサングラス(だてメガネも有効)の着用がおすすめです 。 - Q. 鼻毛がないと困ることはありますか?
A. 鼻水が勝手に流れ落ちてきたり、埃を吸い込みやすくなったりします 。マスクを着用することで、これらを防ぐことができます 。 - Q. 髪の毛が抜けた後のケアはどうすればいい?
A. 頭皮が非常にデリケートになるため、帽子やスカーフ、バンダナ、ウィッグを活用して、外部刺激や乾燥から保護しましょう 。
しかし患者にとって精神的ショックが大きいのは、やはり髪の毛の脱毛です
実際に抗がん剤治療で脱毛を体験した方々は、
「髪の毛がどっと抜けるのを見るのはつらく、いたたまれない日々だった」
「髪の毛が徐々に抜けて、やがてほとんどの髪が無くなったときには、もうダメだと思った」
「先生にまた生えてくるといわれたが、本当に生えてくるまでは不安だった」
などと治療中の心中を語ってくださいました。
脱毛の程度は、使う薬の種類や量によって異なり、また個人差もあるので、他の患者さんと比較して、自分の場合は程度やスピードが違うと感じ不安になることもあります。
【私の場合】
脱毛が始まった時、市販の帽子をかぶりましたが、次々と困ったことが起こりました。
・脱毛して頭皮がむき出しになっている状態になり、帽子の縫い代が当たって痛い…
・肌が敏感になっていて頭部がかぶれる…
・汗をたくさんかくので蒸れる…
・髪が無いのでスカーフやバンダナだとグルグル回ってしまう…
このように頭皮が敏感になり、炎症を起こしたり、紫外線や寒さの影響を直接受けやすくなったりといった身体的な悩みも生じます 。市販の帽子では「縫い代が当たって痛い」「汗で蒸れる」「髪がないので滑って回ってしまう」といった、脱毛期特有の困りごとも多く寄せられます 。
こうした悩みから生まれたのが、当社の「ウィッシングキャップ(医療用ウィッグ付き帽子)」です 。20年以上にわたり、患者さんの声に寄り添って開発・改良を続けてきました 。
5. 治療中から回復期まで支える「医療用髪付き帽子」のメリット
治療中のQOL(生活の質)を維持するために、見た目のケアは非常に重要です。
当社の「ウィッシングキャップ」は、一般的な全頭型ウィッグとは異なり、帽子と髪の毛(パーツ)を組み合わせて使用するスタイルです 。
ウィッシングキャップが選ばれる理由:
- 長期間使える: 抗がん剤治療前から帽子として使え、脱毛中、そして地毛が回復してくる時期まで、状態に合わせて前髪や後ろ髪を着脱できます 。
- 快適な着け心地: 軽くて通気性が良く、長時間の使用でも蒸れにくい設計です 。頭皮に優しい素材を使用しているため、敏感な時期でも安心です 。
- 準備が簡単: ウィッグのように装着に時間がかからず、さっとかぶるだけで自然なヘアスタイルが完成します 。
- 自分らしいスタイル: ショートからセミロングまで、20〜50代を中心に幅広い年代の方に馴染むナチュラルなデザインを揃えています 。
治療後の地毛回復期には、毛穴のゆがみ等によって「くせ毛」が生じることがありますが、多くの場合、伸びるにつれて以前の髪質に戻っていきます 。回復期のお悩みも、髪付き帽子を活用することで、心地よく過ごすことができます 。
6. まとめ:迷ったら、まずはご相談ください
抗がん剤治療による脱毛は、身体的にも精神的にも大きな変化をもたらします。しかし、仕組みを理解し、適切なアイテムを準備しておくことで、その不安は和らげることができます。私たちは、製品を通じて皆さまが自分らしく、安心して日常生活を過ごせるようお手伝いをしたいと考えています。
帽子選びや脱毛期の過ごし方に迷ったときは、お気軽にご相談ください。専門スタッフが、あなたに合ったスタイルをご提案させていただきます 。
運営:株式会社ウィッシングキャップ




