円形脱毛症ってどんな病気?

円形脱毛症とは、主に頭髪が丸く脱毛する病気、類円形に脱毛する後天性脱毛の疾患です。
脱毛症状は、頭髪のみならず眉毛や睫毛、体毛など、毛髪が存在するあらゆる部位に生じることがあります。

一般に自覚症状はないのですが、脱毛前や活動期に軽い瘙痒や違和感、浮腫性の淡い紅斑をみることもあります。
頭部では、頭髪の脱毛斑の数や範囲から、単発型、多発型、全頭型、蛇行型に分類されます。
頭髪に加えて体毛全ての毛が脱毛する、汎発型もあります。

円形脱毛症といっても必ずしも円を描くように頭髪が抜けてしまうのではなく、後頭部や側頭部の毛の生え際にかけて細長い形で脱毛する場合もあります。

慢性になると、爪にも症状(最も多いのは爪甲の小さな点状陥凹)がでることがあります。

円形脱毛症は、医療機関の皮膚科を受診する脱毛疾患の中では最も頻度が高く、治療に難渋する場合が多い病気です。
外見上の印象を大きく左右するので、患者自身の悩みは深く、生活の質(QOL)にも大きく影響する病気です。

円形脱毛症は人種を問わず認められ、男女差はなく全年齢層に発症が確認されています。
米国ミネソタ州オルムステッド郡での年齢と性別を合わせた調査では、 1 万人あたり 20.2 人(0.2%)であり、平均年齢は 33 歳、男女差はなかったことがわかりました。

円形脱毛症の種類

単発型
10円大ほどの大きさの脱毛が、1か所だけに起こります。
およそ80%の方が1年以内に完治すると考えられていますが、再発する例も多く、より多くの箇所の脱毛が起こる「多発型」に移行する場合もあります。

多発型
10円大ほどの大きさの脱毛が複数起こります。
脱毛斑の融合や拡大・縮小・再発を繰り返し慢性になるなど、治療を行なっても完治までに2年ほどかかる場合もあります。

蛇行型
細く長い蛇のような脱毛が後頭部から側頭部にかけて起こります。
治療期間から数年かかる場合も多いです。

全頭型
髪がすべて抜け落ちてしまうという症状です。
円形脱毛症の中でも比較的重篤な症状といわれています。
非常に治りにくく、治療期間が長期に渡る場合も少なくありません。

汎発型
髪だけでなく、眉毛やまつげなども抜けてしまう症状です。
円形脱毛症の中でも最も重篤な症状といわれています。
治療期間は長期に及びます。

円形脱毛症の原因は?

近年、円形脱毛症発症のメカニズムは少しずつ解明が進んでおり、自分の白血球(リンパ球)が自身の毛髪を攻撃してしまうために毛髪が抜けるという、毛包組織に対する自己免疫疾患と考えられています。

ストレスがきっかけで発症する方もおられますが、インフルエンザ等の感染症の後に発症した方や、疲労など肉体的、精神的ストレスが引き金となる場合もあるとされています。しかしながら、原因が全く思い当たらない方も多くいらっしゃいます。

円形脱毛症の経過と治療は?

円形脱毛症は、お子さんからご高齢の方まで男女を問わず生じます。
原因は未だ解明されておらず、治療は対症療法です。

1か所だけ丸く抜けてその後脱毛が広がらない「単発型」の方の中には、自然に治る方も多くいらっしゃいます。
しかし、脱毛の範囲が1か所だけに留まらず、もう一1か所増えた、何か所にも増えてくる場合は治療を受けた方がよいと思います。
治療を受けると数カ月後に発毛がみられることが多いですが、中には発毛しても脱毛を繰り返す方、なかなか発毛がみられない方がおられることも事実です。

良くなったりわるくなったりを繰り返すために、治療効果も判定しにくいことから、エビデンスのある治療法が少ないのが現状です。

さらに、インターネットが発達した現代にあっては、エビデンスに乏しい情報が氾濫している状況があり治療の困難さを感じている患者さまも多く悩ましい病気です。

子どもでも円形脱毛症になる?

全体の80パーセントは、30歳以下で発症しており、15歳以下の発症率は全体の4分の1に達します。
15 歳以下で発症した場合は、治りにくく治療が長期間に及ぶ可能性もあります。
また、生まれたばかりの幼児にも発症する事が確認されており、悩みを抱えている子供も少なくはありません。

子供の円形脱毛症は、特にアレルギーやアトピーが原因である可能性が高いと考えられており、長期的な治療が必要となる場合があります。

円形脱毛症とアトピー

高い頻度で、アトピー性皮膚炎などのアトピー性疾患を合併することから、本症の発症、治療効果、予後にアトピー素因が関与する可能性が知られています。

アトピー性疾患(気管支喘息,アトピー性皮膚炎,軽度のアレルギー性鼻炎)のいずれか、もしくはアトピー性皮膚炎を合併していたとの報告があります。

特に小児の円形脱毛症の場合は、患者本人ないし一親等家族にアトピー性疾患がある方が多いことがわかってきました。

円形脱毛症の合併症について

また、橋本病に代表される甲状腺疾患、尋常性白斑、SLE、関節リウマチ、I 型糖尿病、あるいは重症筋無力症などの自己免疫性疾患が合併することも知られており、特に甲状腺疾患は 8%、尋常性白斑は 4%の合併率を有するとの報告があります。
これらの合併症の有無を確認するために血液検査などを行うことも有効とされています。
そのほか,ダウン症患者では 合併率が高いことがわかっています。

円形脱毛症の遺伝について

円形脱毛症の診断にあたっては,脱毛症状の経過や治療歴,家族歴,既往歴,合併症などを注意深く問診することが重要になっています。
近年のゲノム相関解析により、遺伝子領域が疾患感受性と強く関連することが報告されています。現時点では円形脱毛症は多因子遺伝性疾患と考えられています。

円形脱毛症の発症と精神的ストレス

円形脱毛症の発症に精神的ストレスが関与するかについては、以前より議論されています。
医療現場では、患者自身の脱毛症状が精神的ストレスで起きたのではないかと相談を受ける場合も多いです。
強い精神的ストレス後に脱毛症状を生じた症例を経験する機会がある一方で,全くその関与を自覚しない患者もかなり多いのが現状です。
今もって、発症と精神的ストレスとの直接の関連性についての科学的根拠は乏しく、今後の研究報告に期待したいところです。

円形脱毛症の治療について

円形脱毛症の治療は毛髪の抜ける速さや範囲によっていくつかの治療法があります。
治療は最初にステロイド薬の外用や塩化カルプロニウム液の外用、抗ヒスタミン薬の内服、セファランチンの内服、液体窒素療法が行われることが多いです。

さらに治りにくい場合には、頭皮にステロイド薬を注射したり紫外線を照射したり、軽いかぶれを起こすような治療(局所免疫療法)をします。

また急速に進行する場合にはステロイド薬を短期間点滴する場合もあります。
そして脱毛の範囲が広く一定の期間自然に発毛しない場合には、ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬を内服する治療も行えるようになりました。

治療の内容は皮膚科の先生とよく相談して選択してください。
また、これらの治療を行っても発毛がみられない場合や治療の効果がみられるようになるまでの間医療用ウィッグ付き帽子やかつらなどを使用することも、生活の質(QOL)を高め、気持ちを落ち着かせるためには有効な手段です。

医療用ウィッグ付き帽子やかつらを使用することの有用性

円形脱毛症では、髪の毛が抜けることで外見上の印象を大きく左右するので、抗がん剤治療患者と同様、大きなストレスになります。
その上治療効果がみられない、再発を繰り返すなどでストレスをさらに感じる方も多いと思います。
円形脱毛症の患者さんの一番の悩みは、抗がん剤治療患者の方々と同様に、「脱毛が目立つ・気になること」です。

日本皮膚科学会円形脱毛症診療ガイドラインによると、「行動の未熟性,情緒の不安定性,不適応感,器官劣等感が、ウィッグや医療用髪つき帽子などの使用によりかなり改善された。」との検証が報告されています。

また、医療用ウィッグ付き帽子やかつらを装着することにより、「患者本人の効力感、積極的適応性、自尊感など、見た目への満足度が高まるとして評価され、エビデンスレベルは低いものの、医療用ウィッグ付き帽子やかつらは、患者の QOL を改善させる効果がある」と推奨されています。

海外では、かつらが医療用具として健康保険の対象となっている国もあり、日本においても病的脱毛症に対しての医療用ウィッグ付き帽子やかつらについては、医療法上認知されるべきと結んでいます。

医療用ウィッグ付き帽子や医療用かつらについて

医療用ウィッグ付き帽子やかつらの使用を考える時、一番心配なのは治療の妨げになるのでは?と言う事ではないでしょうか?

日本皮膚科学会円形脱毛症診療ガイドラインによると、特に多発性・前頭型・汎発型の患者に対して、医療用ウィッグ付き帽子やかつらの使用は、「悪影響はなく、特に紫外線や外傷防御の点で推奨される」と記されていますので、安心して使うことができます。

ただし、医療用かつらは一般的に高価なものも多く、利用を迷う方も少なくないのが現状ですが、よく探せば自分にあった条件のかつらもあり、いくつかのメーカーの製品を比較検討したり、病院の紹介などを参考にすることも有用です。
もちろん帽子、バンダナなど、自分にあったアイテムを利用することもよい方法です。

医療用ウィッグ付き帽子と、かつらとの違い

かつらは、医療用であっても、どうしても頭部とかつらのヘア部分が顔より一回り大きく見えてしまい、不自然に感じる方も少なくないのが現状です。
医療用髪つき帽子 ウィッシングキャップは、かつらと異なり、髪が頭部全体を覆わずトップには髪が無いので、とても自然な見た目です。

その上、独自開発(特許第4548648号)のテープ状付け髪は取外しができるので、帽子のみでもかぶれます。また、軽くて、かさばらず、蒸れない、痛くないなど、さまざまな工夫が施されています。

医療用ウィッグ付き帽子と、一般の帽子との違い

帽子といっても、円形脱毛症で頭部が脱毛した際に使用する場合は、肌や頭皮が敏感な状態になっていることが多く、またアトピー性皮膚炎などの合併症を併発していることも多いため、様々なケアが必要です。
一般の帽子は、そのような配慮が無く肌トラブルを生じる可能性があります。

医療用ウィッグ付き帽子 ウィッシングキャップは、脱毛した頭部の地肌にやさしい素材の使用、通気性、汗対策、締め付け感が少ない、長時間使用しても痛くないなど様々な工夫が施されています。(特許第4548648号)

創業より20年、抗がん剤治療で脱毛した体験をもとに独自開発されたウィッシングキャップは、一貫して脱毛中の頭髪のケア商品を提供しており、実績があります。

医療用ウィッグ付き帽子「ウィッシングキャップ」は自宅で試着ができます

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自分で髪を抜いてしまう「抜毛症」について

抜毛症(ばつもうしょう)、トリコチロマニアとも呼ばれるこの病気は、自分で自分の髪を抜いてしまうという特徴的な症状を持っています。

抜毛症は特に学童期の女児に多く見られる病気で、髪の毛を抜くことを止めてしまえば改善します。
しかし抜毛症の患者のおよそ4分の1の方はストレスが原因といわれており、ストレスを和らげたり、行動療法や投薬治療を行なってストレス自体を改善する必要があると考えられています。

本人も無意識に抜いてしまうことや人前で抜かない患者さんも多いため、周囲の人も気づきにくく、円形脱毛症や頭部白癬と間違えられるケースもあります。

治療を開始してから1年ほどで改善する場合もありますが、中には完全に治療できるまでに20年以上かかる場合もあります。

自身で髪を抜いてしまいながらも、周囲の視線が気になって外出することをためらってしまう患者さんも少なくありません。

医療用ウィッグ付き帽子 ウィッシングキャップは、お子さまにも簡単にかぶることができます。
取り扱いもカンタンなので、学校などでも一人で着脱できます。
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FAGA(女性の薄毛)とは

FAGAとは、女性の薄毛の総称です。
FAGAは、「Female(女性の)AGA」(女性男性型脱毛症)のことです。

AGA(男性型脱毛症)は、男性ホルモンが体内の男性ホルモンの受容体と結びつくことで発症します。

AGAは、男性に起こる進行性の脱毛症のことを示すのに対し、女性のAGAは英語で女性という意味の「female」の頭文字をつけて「FAGA」と呼ばれる場合や、びまん性脱毛症、FPHL(Female Pattern Hair Loss)など様々な呼び方があります。

FAGAで現れる主な初期症状としては、分け目が広がったように感じたり、抜け毛が増えたりします。

一見して分かりにくい症状から始まるので、初期症状の段階ではFAGAだと気がつかないことがほとんどです。
症状が進んでいくにつれ、髪が全体的に薄くなったように感じることが多いようです。さらに進行すると、頭頂部から脱毛していく範囲が徐々に広がっていきます。
女性の場合、頭頂部もしくは全体的に均一に抜けていくことが多いのが特徴です。

FAGAとAGAとの違いについて

名前が似ているFAGAとAGAですが、どんな違いがあるのでしょうか。

大きく異なるのは「症状の出方」と「発症する時期」であるといえるでしょう。

症状の出方の違い
男性に起こるAGAは局所的な脱毛で、額の生え際や頭頂部のどちらか、または両方の髪が薄くなり、側頭部や後頭部の髪の毛は残ることが多いです。
対して女性に起こるFAGAは、頭部全体の髪の毛が薄くなる特徴があります。

発症する時期の違い
男性に起こるAGAは、女性のFAGAよりも発症時期が早い傾向にあり、思春期以降の比較的早い時期に発症することが多いです。
FAGAは、生活習慣や女性ホルモンの乱れなどが関係しているため個人差がありますが、成人以降に多く発症し、40歳代~50歳代の閉経後に増加します。

FAGA(女性の薄毛)の症状

女性の薄毛は、主に7つの症状に分類されます。

  • びまん性脱毛症

    髪の毛全体のボリュームが減る症状

  • 休止期脱毛症

    髪の毛が休止期(成長が止まった)状態で抜けていく症状

  • 牽引性脱毛症

    ポニーテール結びや帽子によって脱毛する症状

  • 産後脱毛症

    産後に脱毛する症状

  • 円形脱毛症

    頭髪などが円形に脱毛する症状、全身の体毛が脱毛する場合もある

  • 脂漏性脱毛症

    頭皮の皮脂量が多いことによって脱毛する症状

  • 粃糠(ひこう)性脱毛症

    フケによって脱毛する症状

FAGA(女性の薄毛)の治療や予防について

生活習慣の改善や食生活、睡眠、運動などの見直しが大切です。
生活習慣が乱れていると、せっかく治療を行っても、栄養不足や血行不良などで治療効果を感じにくくなってしまう可能性があります。

薬を服用する場合は、男性が使用する治療薬は女性の使用が禁忌とされているものもあるため、必ず医療機関を受診して処方を受けましょう。

最後に~脱毛でお悩みの方に~

医療用ウィッグ付き帽子 ウィッシングキャップは、脱毛した頭部の地肌にやさしい素材の使用、通気性、汗対策、締め付け感が少ない、長時間使用しても痛くないなど様々な工夫が施されています。(特許第4548648号)

創業より20年、抗がん剤治療で脱毛した体験をもとに独自開発されたウィッシングキャップは、一貫して脱毛中の頭髪のケア商品の提供を続けており、実績があります。

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